今月の10曲
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いよいよこの2月25日、新作ミックスCD『PREMIUM CUTS #02 -PARADISE FLIGHT-』がリリースされることになりました。ミックステープ『PREMIUM CUTS』シリーズ1〜7巻の総集編となった2枚組の前作『PREMIUM CUTS #00 -CLASSIC BLEND-』以来、4ヶ月ぶりのリリースです。今回はもちろん全曲プレカツ初収録作品。「ザ・グリンゴス/エンヴィー」「ダニー・マック/アンダー・ザ・パリス・スカイ」「ニューヨーク・ニューヨーク/アイ・ワナ・ビー・ライク・ユー」「マギー・イーヴス・シンガーズ/アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー(シェルブールの雨傘)」「シルヴァ/マッキーナ・カフェ」「ボビー・ボイル/スプリング・キャン・リアリー・ハングアップ・ザ・モスト」「シェイク/慕情のテーマ」「レイ・クリストフ/ワードレス・ブルース」などなど、今回も新発掘キラー収録にも抜かりはありません。このコーナーで紹介してきた作品も多数収録されています。全24曲、埋め曲一切ナシの79分。今回も限定生産となりますので、ぜひお早めにお求めください。取り扱いはダンス・ミュージック・レコード、JETSET、ヴィレッジ・バンガード、ディスク・ユニオン、ウルトラヴァイヴ、バージン・メガストア、チクロ・マーケット、ディスクデシネ、コーナーショップ、サウンズなどなどです。
PREMIUM CUTS -#02 PARADISE FLIGHT -
(CSMP0003 / 79分CD / 税込価格1,890円)
PREMIUM CUTS 2006 SCEDULE
FEBRUARY〜APRIL

※誕生月に入場の方、入場料無料(要ID提示)

2月1日(水)『Premium Cuts 2006』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, 宮川ともみ

3月1日(水)『Premium Cuts 2006』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, 宮川ともみ

4月5日(水)『Premium Cuts 2006』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, 宮川ともみ

TWISTE ET CHANTE
MAGGIE EAVES SINGERS / LOVE SONG OF THE WORLD MAGGIE EAVES SINGERS / LOVE SONG OF THE WORLD
(AVENYE) LP

人気のMIKE SAMMES SINGERSと雰囲気のよく似たUKコーラスグループ。しかし多作だったMIKE SAMMESに比べるとずっとマイナーだったのか、この72年盤以外に見たことがありません。ドリーミーな混声コーラス、そしてリズムが立っているのがうれしい。特に映画『シェルブールの雨傘』のテーマ「I WILL WAIT FOR YOU」やオルガンバー・クラシックス「I MUST KNOW」、スウィング・スタンダード「ZIP-A-DEE-DOO-DAH」はピークタイムOKのキラー・カヴァー。『PARADISE 〜』に「I WILL〜」を収録しました。
THE GRINGOS / LOOKING FOR SOMEONE THE GRINGOS / LOOKING FOR SOMEONE
(PHILIPS) LP

以前『DOUBLE STANDARD』でM.SALERNO率いるオーストラリアのセルメン・フォロワーM.S.AFFAIRを紹介しましたが、このGRINGOSはそのM.SALERNOによる別ユニット。やはりメンバー構成からしてかなりセルジオ・メンデスを意識したソフトロック・ブラジリアンを聴かせてくれます。オリジナルの「ENVY」「BELLS OF OUR LOVE」やBEATLES「GOODBYE」のカヴァーなど、オセアニア・ブラジリアンの最高峰と言ってしまいたい、相当の洗練度合いです。「ENVY」を『PARADISE 〜』に収録しました。
SILVA / MAQUINA CAFE SILVA / MAQUINA CAFE
(CARRERE) 7"シングル

やはり今回のMIX CDに収録した、72年のフレンチ7インチ。『PARADISE FLIGHT』っていう今回の南国イメージにピッタリのナンバーです。とびきりアッパーなリズムにマイナー調の哀愁の唄メロ、泥臭すぎないほどよくディスコポップなアレンジの、いかにも70'sフレンチ・サンバなダンスTUNE。ジャケット写真から想像してもらった通りの陽気なサウンドです。繰り返されるスパニッシュ的なニュアンスのギター・リフが印象を強く残し、かけ声も飛び出す中間のサンバブレイク・パートに嫌が応でもテンションが上がります。
ELAINE DELMAR / SAME ELAINE DELMAR / SAME
(MCA) LP

ウエスト・インディーズ系のUKシンガーの73年のアルバム。ソウル寄りの作品からジャズ寄りの作品まで、何枚かのアルバムをドロップしているようですが、本作ではMICHEL LEGRANDの「これからの人生」やEAGLESの「DESPERADO」、CHICAGOの「SATURDAY IN THE PARK」、A.C.JOBIMの「HOW INSENSITIVE」などなど、幅広い選曲でカヴァーを披露しています。特にGILBERT O' SULLIVANの名曲「ALONE AGAIN」はブレイクビーツで始まるGROOVYバージョン。『PARADISE 〜』に収録しました。
THE NEW YORK NEW YORK / EXPERIENCE ! THE NEW YORK NEW YORK / EXPERIENCE !
(BEACH CULTURE) 12" EP

まるでCHEVALIER BROTHERSな80'sUKフェイク・ジャズ、ジャンプ&ジャイブ・ユニットの4曲入り12インチ。目玉は当然、ディズニー映画『JUNGLE BOOK』の挿入歌である「I WANNA BE LIKE YOU」。グッドタイミーなミュート・トランペットで始まる2ステップ・ジャイブはごきげんの一言にして当然『PARADISE 〜』行き。ヴォーカルも芯が太くて押し出し充分です。他にはおなじみ「ST. THOMAS」のインスト・カヴァーも収録していますが、こちらは延々とくりかえされるVooDooビートがクセになるトライバル・ステップ。
RAY CHRISTOPH'S NEW SOUND / WORDLESS BLUES RAY CHRISTOPH'S NEW SOUND / WORDLESS BLUES
(ORANGE) 7"シングル

ドイツのORANGEレーベルからの69年リリースの7インチ。 ORANGEと言えばDANIELA UND ANNなんかもそうでした。さてこのグループは他にリリース作品が存在するのかどうかもちょっと判らないんですが、本作は骨太のボッサビートにガッツあふれる男性スキャットが乗っかった逸品。作者名はRAY CHRISTOPHとなっていますが、メロディは誰がどう聴いてもBOB DOROUGH作の傑作「COMIN' HOME BABY」のまんまパクり(笑)。かっこいいわ踊れるわ実は大ネタだわと、ひと粒で二度も三度も美味しいお徳用キラー・ナンバーです。
BRUCE DAVIS QUINTET / AT THE HACIENDA BRUCE DAVIS QUINTET / AT THE HACIENDA
(DAVISTA) LP

生演奏を売りにするナイトクラブは昔から世界中におよそ無数にあって、そこで活躍する“箱付き”のシンガーやバンドもまた星の数ほどいます。活動の記念にあるいはメジャー進出を図って彼らが制作するレコードは、枚数も少なく会場売りが主だったりするけど、そうしたローカルなアルバムのクオリティの高さに、私たちは何度も驚かされてきました。このジャズ・コンボの自主デビュー盤もまさにそんな一枚。「JERICO」「BEI MIR BIST DU SCHOEN」「NOAH」などで聴けるスウィングフルな演奏と華麗なコーラスには舌を巻きます。
MUNICH BIG BAND / SAME MUNICH BIG BAND / SAME
(INTERSONG) LP

TV番組等のBGMとして制作されていたライブラリー・アルバム。巨大な米音楽市場に比べて活動の場が限られていたヨーロッパのミュージシャンにとって、その録音への参加は貴重な生活の糧だったようで、そのクレジットに驚くようなビッグネームを発見することも少なくありません。本作もDUSKO GOYKOCVICやHANS HAMMERSCHMIDといった大御所が制作していて、しかも手抜き一切なしの傑作ジャズ・アルバムになっています。疾走のラテン・ジャズ「LATIN HAZE」は今回の『PARADISE〜』のハイライトの一つになっています。
SOUNDS OF SYNANON / SAME SOUNDS OF SYNANON / SAME
(PACIFIC) LP

月に一度の外苑前SIGNでの佐野あつしとのDJで、彼に教えてもらったウエストコースト・ジャズの傑作。ARNOLD ROSS(ピアノ)、JOE PASS(ギター)、DAVE ALLEN(トランペット)、GREG DYKES(バリトン)、BILL CRAWFORD(ベース)といった、当時のPACIFICを代表する面々が結集したセッション・アルバムです。アフロ・キューバンなドラミングにハードボイルドなホーン・アンサンブルが光る「PROJECTIONS」が秀逸の夜ジャズ。ヨーロッパFONTANA盤もあって、このUSオリジナル盤よりジャケがかっこいいです。
白木秀雄 / PLAYS BOSSA NOVA 白木秀雄 / PLAYS BOSSA NOVA
(KING) LP

先月に続いて“和製ART BLAKEY”白木秀雄の作品です。実際に聴くまではそのタイトルから勝手にライトなボッサ・ジャズを想像していたのですが、ここに収録された7曲はボサノバと言うよりは相当にハードバップなジャズ・サンバ、あるいはアフロ・キューバン・ジャズ。参加メンバー松本秀彦のペンによる「DEUX STEP」と「GROOVY SAMBA」がグローバル・スタンダードになりうる大傑作です。ド定番の「BESAME MUCHO」も、こんなかっこいいカヴァーは初めて。とにかく白木が思う存分叩きまくっていて、痛快の極みです。
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