今月の10曲
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まもなく発売になります辰緒さんの新コンピレーション・シリーズ『須永辰緒の夜ジャズ』第一集のサンプルを拝聴しました。“男が午前3時に燃えるジャズ”をキーワードに、JAZZ CLUB SCENEの最前線に立ち続けてきたDJならではの現場感覚で吟選した全12曲。JAZZ DEFEKTORSやMILLERSなど辰緒さんのプレイを聴き続けてきた耳には馴染みのナンバーから、エスビョルン・スヴェンソン・トリオ=ESTの話題曲「SPAM-BOO-LIMBO」まで、新旧横断のセレクションです。SHIBUYA-FM『須永辰緒のWORLD STANDARD』に出演させていただいたり<モダンジャズ入門>で共演させていただいている縁で知ることが出来、僕もやっと手に入れることが出来たIB GLINDMANNNも収録されていてうれしい限り。こうした流れの中だと、スタンダード・ナンバーMILES DAVIS「MILESTONE」なんかもその半端じゃない切れ味を再認識出来たりします。個人的なベスト・トラックはJUKKA ESKOLA「BUTTERCUP」かな。ジャケットの通り、全編に濃厚な夜の雰囲気の横溢したオリジナリティーあふれる一枚です。ぜひご一聴ください。今回はSONY音源編と言うことで、次回作UNIVERSAL音源編もとても楽しみです。
須永辰緒の夜ジャズ JAZZ ALLNIGHTERS NO.1
SICP868 (SONY JAZZ) 2,520円(税込)2005.8.24発売
PREMIUM CUTS PROGRAM 2005 AUGUST〜OCTOBER LINE UP 21:00 OPEN (\2,000/1D)
※誕生月に入場の方、入場料無料(要ID提示)

7月6日(水)『Premium Cuts 2005』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 関口紘嗣, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, おしず

8月3日(水)『Premium Cuts 2005』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 関口紘嗣, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, おしず

9月7日(水)『Premium Cuts 2005』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 関口紘嗣, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, おしず

■MIX TAPE & CD -PREMIUM CUTSシリーズ-在庫取り扱いについてのおしらせ
MIX TAPE PREMIUM CUTSシリーズは、在庫僅少ながら、まだ#003〜#007はオルガンバーキャッシャーにて取り扱ってます。#001&#002は完売です。またMIX CD PREMIUM CUTS #01は各レコード店のみの取扱いとなっており、こちらも在庫僅少となっております。よろしくご了承ください。
TWISTE ET CHANTE
NICOS JARITZ SEXTET / MACUMBA NICOS JARITZ SEXTET / MACUMBA
(AMADEO) LP

オーストリアのパーカッショニスト、NICOS JARITZ率いる2管編成のユニットの80年録音盤。ブラジル系、アフリカ系などの多彩なパーカッションを駆使していますが、パーカスのみによる実験的なショート・トラックを別にすれば、自分の出番を闇雲に強調することなく、アンサンブルを重視した演奏に徹しています。「SAMBA NUEVA」「SAMBA PARA GATO」「LA COSTA」という3曲の疾走するヨーロピアン・ジャズ・サンバと、ワルツジャズの表題曲が聴きどころです。僕の夜ジャズな一枚。
KLECIUS E SEU CONJUNTO / NO EMBALO KLECIUS E SEU CONJUNTO / NO EMBALO
(AVANCO) LP

まったく知らなかった(そんなのいっぱいありますが)ブラジルのマイナー・レーベルによるジャズ・サンバ盤。マイミクさんに襲えてもらったところによるとPAULO MOURAがアレンジしている7インチとかも出していて、侮れないレーベルのようです。ブリッと厚いホーン隊が全編に生きていて、ブラジリアン・ジャズならではのかっこよさが堪能出来ます。「SOL, PRAIA E VOCE」「VESTI AZUL」「SWEET HEART」「CALL ME」「VENTO DE MAIO」などなど、オリジ、カヴァーいずれも文句なし。
JULINHO / O SOM DO JULINHO JULINHO / O SOM DO JULINHO
(EQUIPE) LP

ブラジリアン・ジャズ・サンバの傑作をもう一枚。全体的なテンションでは上記のKLECIUS E SEU CONJUNTOに一歩譲るものの、必殺のフロアキラー「CAMINHAND」一曲で互角以上の戦いが出来そうです(笑)。絶妙のメロディゆえ、フロアキラーというより(もちろん気持ちよく踊れるんだけど)、名曲といった方がいいかも。「MENINA FLOR」「E NADA MAIS」といったミッドテンポのジャズ・ボッサもスルー厳禁。WHAT MUSCから再発もされているのでご存知ない方はお試しください。
JACK MILLMAN / BLOWING UP A STORM JACK MILLMAN / BLOWING UP A STORM
(ERA) LP

57年にカナダからリリースされた、ジャズ・アルバム。このトランペッターはウエストコーストで主に活躍していたそうです。まぁ57年ということで、日頃触れる機会の多い60〜70年代の音源に耳が馴れた方は、全体的にはいささかオールドタイミーな印象を持たれるかも知れませんが、チキチキ・ライドのアフロキューバン・ビートに乗せた彼のオリジナル・ナンバー「KHAN」は出色の出来。例えば上で紹介した辰緒さんの『夜ジャズ』にもし収録されていても違和感のない佳曲だと思います。
STEPHANIE HAYNES / TOHE ONLY MUSIC STEPHANIE HAYNES / TOHE ONLY MUSIC
(ORTHO JAZZ) LP

85年のUSインディー・アルバム。JAZZMANによって7インチ・リイシューされた「JUNGLE FANTASY」などで知られるジャズ・フルーティストSAM MOSTらをゲストに迎え、スモールコンボをバックになめらかで腰の据わった歌を聴かせてくれます。 MOSTのフルートやKENT GLENNのピアノも気持ちよく舞う軽快なボッサ・ジャズ「REFLECTIONS」を筆頭に、ラテンジャズ・タッチの「THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES」 や「HI THERE SPRING」など、クオリティの高い曲が収録されています。
RAGNI MARMSTEN / VAIN HETKEA MA SULTA PYYDAN RAGNI MARMSTEN / VAIN HETKEA MA SULTA PYYDAN
(FINNLEVY) LP

フィンランド人シンガーR. MARMSTENの75年アルバム。哀切なメロディーもジャズの香り漂うアレンジも申し分なくて、かつフロアで使えるヨーロピアン・サンバ「MA LAIHDUTAN -SAMBA BANTA-」がぶっちぎりのイチ推しなんですが、ごきげんなスウィング・ナンバー「ON PERJANTAI」やスロウなボサノヴァ「SIKS' OON MA SURUINEN」、EDITH PIAFや越路吹雪の代表曲でもある「愛の賛歌」も素敵です。しかし「MA LAIHDUTAN -SAMBA BANTA-」はほんと、しみじみいい曲だなぁ。
DONNA HIGHTOWER / SOUL MATE TALK DONNA HIGHTOWER / SOUL MATE TALK
(DECCA) LP

アルバム、シングル共にかなりの枚数をリリースしている女性シンガーの、これは75年スペイン録音アルバム。ソウル系の作品が多い人のようですが、本作はジャズ、スウィング系のナンバーで占められています。「A LOT OF LIVIN' TO DO」「ALMOST LIKE BEING IN LOVE」「LOVE FOR SALE」などなど。スペイン産と知らずに聴いていると、USショウビズ(営業)系のジャズ・アルバムにしか聴こえません。彼女には「HI-HO」のカヴァーを収録したアルバムもあって、そちらもお勧めです。
VICTOR LAUREL / MISTY VICTOR LAUREL / MISTY
(PIONEER) LP

この人はフィリピンのシンガーらしいですが、検索 にも何も引っ掛からないし素性もディスコグラフィーも全然 判りません。たぶんショウビズ・シンガーでしょう。まったりしたラブソングからスウィング・ナンバーまで取り上げている曲は幅広いのですが、 マスクと同様声も甘いので女性に人気があったと想像されます。フリーソウルど真ん中 のおなじみ「NEVER CAN SAY GOODBYE」のカヴァーは爽やかでかなりいい バージョンです。あと同タイプの「WHEN IT WAS YOUNG」もグッド。
HEINZ KIESSLING / PLAYLAND HEINZ KIESSLING / PLAYLAND
(COLORIT) LP

H. KIESSLINGはヨーロッパのライブラリーなどで常連のドイツ人アレンジャーですね。74年の本作がオリジナルなのかライブラリーなどの使い回しなのか(こうしたヨーロッパのオーケストラル・ポップな音源にはとかくありがちですね)判然としませんが、優雅なイージーリスニング・サウンドの中に混じって、スケールの大きなハイ・テンポのラテン・ビッグバンド・サウンド「FULL SWING」や「ROADRUNNER」、ブラックムービーのテーマのような「TORPEDO JUICE」が収録されています。
PAUL SMITH QUARTET / THE SOUND OF MUSIC PAUL SMITH QUARTET / THE SOUND OF MUSIC
(VERVE) LP

USジャズ・ピアニスト、P. SMITHが映画『サウンド・オブ・ミュージック』のサウンドトラックで知られる名コンビR. RODGERSとO. HAMMERSTEINの楽曲をカヴァーしたアルバム。カルテットのクレジットには名ギタリストBARNEY KESSELの名前も見れます。「MY FAVORITE THINGS」や「THE SOUND OF MUSIC」、「NO WAY TO STOP」など、いずれもリズム圧も控えめでラウンジ・ライクなアレンジですが、パーカッションが加わった「DO RE MI」は弾むような楽しさのある注目曲です。
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