今月の10曲
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【富山〜福岡〜佐賀〜群馬〜今年も各地をDJでまわっています】

雪化粧の一月の富山DANKEから始まって、南は福岡KIETH FLACK、佐賀PAIX PAIX、そして郡山RITZと、こじらしてしまった風邪を必死に抑え込みながら今年も地方を回っています。勝手知ったるハコや初めてのハコなど、アウェー感の強さもまちまちですが、大体どの土地も自分のプレイを聴いてもらえるのは何に一度とか多くても年二くらいですから、オルガンバーや熊谷nymphなどでレギュラーでプレイしているのとは違う臨み方というか、自分のプレイを知らない人にも、何度も聴いてくれている人にも、新しい発見を持って楽しんでもらいたいし、また聴きに来たいと思ってもらいたいので、そういう程よい緊張感を楽しみながらプレイしています。あとは地元の若いDJの人や共演するアーティストの人たちから刺激を受けたり。最近はうれしいことにまったくつながりもなく知り合いでもない地方のオーガナイザーの人からもmixiなどを通じてオファーをいただいたりもするので、そういう場合はどんな傾向の音楽がその土地では受け入れられているのか、生音に強く反応するのか打込みなのか、そういう事前情報を聞いてみたりもします。まぁ結局現場では自分なりの流れで押しちゃうんですが。これからも、リピーターのお客さんに「また同じ選曲してる」なんて言われることの無いように、自分の引き出しを常に増やしていきたいと思っています。
【プレミアムカッツ新戦力DJ ZOO-KAの処女作『FORCE OF VINYL VOL.2』】

ヒップホップ愛、ファンク愛にあふれた、というかそれだけを純化させて生まれた奇跡的なレーベル<VINAL FORCE>の創設メンバーにして、PREMIUM CUTS2008の期待の新戦力でもあるDJ"大日本人"ZOO-KAが初めてのMIX CDをリリースしました。マイナーなヒップホップからレアファンク、ブレイクビートを自在に駆け抜けるZOO-KAのミックスと、そこに絶妙のアクセントを効かせるレーベル・メイトのDJ威蔵によるスクラッチ・ジャグリング。一曲一曲の粒だちも、流れの起伏とメリハリ、処女作とは思えない完成度の高さと面白さです。そしてなにより「レコードをつないでつないでつなぎ倒しているのが楽しくて仕方がない」というような“気”が溢れているのが素晴らしい出色のMIXです。ぜひ聴いてみてください。そして毎月第一水曜日、オルガンバーに彼の卓越のプレイを聴きにきてください!
DJ ZOO-KA / FORCE OF VINYL VOL.2 / 1460円(税込) / NOW ON SALE

01 SOLAR LEVEL
02 FIRE EATER / ZOO-KA MIX ( SCRATCH BY DJ IZOH )
03 SWING SET / JURASSIC 5
04 STONE FOX CHASE / AREA CODE 615 ( SCRATCH BY DJ IZOH )
05 NOD YOUR HEAD TO THIS / KINGS OF SWING
06 THE XPERIMENT × SPINNING WHEEL / ZOO-KA MIX
07 FUNKY MUSIC IS THE THING / DYNAMIC CORVETTES
08 COOKIES / BROTHER SOUL
09 THINK / SOUL SERCHERS
10 SHACK UP / BANBARRA
11 SMILING FACES / BIG LADY K
12 PEACE IS NOT THE WORD TO PLAY / MAIN SOURCE
13 GETTING LARGE / BLACK ROCK & RON ( BEAT JUGLLING BY DJ IZOH )
14 KEEP ON MOVIN' / HOSTYLE
15 STOP THE NEGATIVITY / OUTLAW POSSE
16 DON'T SWEAT ME / M.C. SHY-D
17 FUNKY DRUMMER / JAMES BROWN
18 ALL NITE / M.C. GEE QUE
19 F.U.N.K.Y.
20 GET THE POINT / C.E.B.
21 LISTEN TO THE BASS GO BOON / D.J. MAGIC MIKE & M.C. MADNES
22 RINGS OF SATURN / ZOO-KA MIX
23 BROWN SOUL / SCISSOR CUTS
24 HANG 'EN HIGH ( CHADEO RE-EDIT ) / MEMPHIS BLACK
25 BEAKOLOGY / SCISSOR CUTS
26 SHAFT IN AFRICA
27 FOR THE THRILL OF IT / 2 BIG MC ( SCRATCH BY DJ IZOH )
28 ON STAGE × HOT WHEELS / ZOO-KA MIX
29 MIGGAS FROM THE GHETTO / BLACK POWER NATION
30 BACK BY DOPE DEMAND / KING BEE
31 SUPERBAD SUPERSLICK × I WOULDN'T CHANGE A THING / ZOO-KA MIX
32 DYNAMIC DUO
33 I WAN'T BE BROKE
34 CHANGE THE STYLE / SON OF BAZERK feat. NO SELF CONTROL AND THE BAND
35 INCH BY INCH / BEATS INTERNATIONAL
36 ROCK CREEK PARK / BLACKBYRDS
37 JOYOUS / PLEASURE
38 FLEX WITH THE POSSE / RYTHM MODE D
39 KAOS RARE-FUNK MIX' 89
40 JAM ON THE GROOVE / RALPH MacDNALD
41 DON'S PLACE / HOLLYWOOD DISCO JAZZ BAND
42 DOUBLE FUNKIN' / LALOMIE WASHBURN
PREMIUM CUTS 2008 SCEDULE

毎月第1水曜日【Premium Cuts 2008】
チャージ 2,000yen /1d
※誕生月に入場の方、入場料無料
※先着30名様にPREMIUM CUTS2008オリジナルMIX CD(非売品)プレゼント

4/2 wed. -PREMIUM CUTS-
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET), 佐野真久(CAFE&DINERスタジオ), 植原良太, 仲山慶, ZOO-KA, tomomieland

5/7 wed. -PREMIUM CUTS-
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET), 佐野真久(CAFE&DINERスタジオ), 植原良太, 仲山慶, ZOO-KA, tomomieland


毎月第4土曜日【BLUE CAFE】
チャージ 2000yen /1d
※先着50名様にBLUE CAFEオリジナルMIX CD(非売品)プレゼント

3/22 sat. -BLUE CAFE-
LIVE GUEST:eico
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET), 東 里起(SMALL CIRCLE OF FRIENDS), 三谷昌平(NOVO TEMPO / RITMO FANTASTICO), 伊藤ヒロキ

4/26 sat. -BLUE CAFE-
GUEST DJ:瀧澤賢太郎
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET), 東 里起(SMALL CIRCLE OF FRIENDS), 三谷昌平(NOVO TEMPO / RITMO FANTASTICO), 伊藤ヒロキ
TWISTE ET CHANTE
JIMMY BOWMAN / SAME JIMMY BOWMAN / SAME
(JAYBO) LP

K.C. AND THE SUNSHINE BANDなどをリリースしているミネアポリスのJAYBOレーベルからリリースされた黒人ピアニスト&シンガー、ジミー・ボウマンのリラクシンなアルバム。制作年度は記されていませんが、ビージーズの「愛はきらめきの中に」のカヴァーを収録しているので、77年以降でしょう。その「愛は〜」が本作の一番のハイライト。この曲の8ビートJAZZスタイルのバージョンはおそらく珍しいのではないでしょうか。ヴォーカルも熱い褐色のフィール、というよりは肩の力を抜いたライトな語り口がこの人の持ち味のようで、これはこれで好感が持てます。
AUGUSTO MARTELLI / DAL VIVO AUGUSTO MARTELLI / DAL VIVO
(PDU) LP

60〜70年代を中心に活躍したイタリアのアレンジャー&コンポーザー、アウグスト・マルテッリの、これは69年のライブ・アルバム。ジャズ、ブラジリアン、ラテン、ファンク、そして後期はディスコ・サウンドと、そのテリトリーは多岐にわたっていますが、本作ではブラジリアンとファンクが中心。女性コーラス隊を配した一曲目のジョアン・ドナート「THE FROG」からテンションMAX。前にこのコーナーでシングル盤を紹介して『PREMIUM CUTS#00』にも収録した「SUMMERTIME」はやっぱり最高のファンクネス。「UPA NEGUINHO」「STRIP RHYTHM」などなど、熱い名演が並びます。
BOB SWANSON AND THE BEE JAYS / LIVE EVERY MINUTE ! BOB SWANSON AND THE BEE JAYS / LIVE EVERY MINUTE !
(RSP) LP

先日、ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズのなんと40年ぶりの新作アルバムがリリースされましたね。ソフトロックの範疇を超えて聴く人すべての琴線に触れるだろう素晴らしい作品でしたが、ロジャニコ全盛時とほぼ同じ時代にニューヨークのマイナー・レーベルからひっそりとリリースされたこの作品も、そのコーラス・ワークの瑞々しさ、オリジナル楽曲の完成度の高さで、極めて魅力的なソフトロック・アルバムになっています。中でも「WOULD YOU BELIEVE」なんかは、何故シングルカットされなかったのかと不思議に思うほど非の打ち所のない、感涙の名曲です。
JULIO IGLESIAS / EL AMOR JULIO IGLESIAS / EL AMOR
(EPIC) LP

“世界の恋人”“マダム・キラー”の誉れ高き称号は、いまや息子のエンリケに譲ったのでしょうか?(笑)「黒い瞳のナタリー」などのヒットで知られるスペインを代表するエンターテイナー フリオ・イグレシアスの、これは76年リリースのヒット・アルバム。以前にこのコーナーで、バリー・ホワイト&ラブ・アンリミテッド・オーケストラ「愛のテーマ」のアンディ・ウィリアムスによる歌ものカヴァーを紹介しましたが、このアルバムでフリオもそれに似た雰囲気・アレンジで同曲を熱唱。こちらはスペイン語ですが、リズムは若干こちらのほうが立っているかも知れません。とろけます。
ANGELA OREN / AROUND THE WORLD ANGELA OREN / AROUND THE WORLD
(ANGELA) LP

ルーマニア生まれのイスラエル人シンガー、アンジェラ・オーリン。って、それくらいのことしか分からないんですが彼女の自主とおぼしきレーベルから80年にリリースされたジャズ・ヴォーカル・アルバム。チャイコフスキーの「白鳥の湖」に歌詞をつけ、しっとりしたジャズ・ボッサ・スタイルで歌っているのがうれしいですね。こんなスタイルのバージョンはあまり見かけないので。もうひとつ、もっとアッパーなボッサ・アレンジの「JAZZ'N SAMBA」もいい感じ。時代的にか予算的にか、ストリングス的な音をシンセで代用して済ませているのがちょっと残念と言えば残念だけど。
KAYE HART / YESTERDAY & TODAY KAYE HART / YESTERDAY & TODAY
(METROMEDIA) LP

後世に長く名を残すべき20世紀の作曲家、ジミー・ウェッブ。その代表曲の一つでスリー・ディグリーズやシーラ・サザンなど多くのアーティストが歌っている「EVERYBODY'S GOIN' TO THE MOON」。ショウビズ・シンガー カイ・ハートの70年の(おそらく唯一の)アルバムでも、このグルーヴ・ラインのナンバーがビッグバンド・サウンドの理想郷のようなサウンドで歌われていて、堂々たるハイライト・ナンバーになっています。軽快なテンポでボッサのアクセントも効かせつつストリングスやホーンが盛り上げる胸のすくようなアレンジは、なるほど名手ピーター・マッツでした。
ELEONORE OST / INTERNATIONELLA HITS ELEONORE OST / INTERNATIONELLA HITS
(HENDRIX) LP

スウェーデン人シンガーで何枚かのアルバムやシングルをリリースしているエレノア・オストが、主に西欧のスタンダード・ナンバーをカヴァーした76年のアルバム。オーケストラだったりコンボだったり、曲によってバッキングも違えています。概ねはシットリめのナンバーでかつピンとくる曲もないのですが一曲ヴァン・マッコイの「THE HUSTLE」の歌入りカヴァーが入っていて、これが出色。ハッスルっていやぁ今や高田総統のファイティング・オペラのイメージが強いけど、歌詞付きでこうしたフリーソウルっぽいアレンジだとまた印象ががらっと変わります。なにより微妙にたどたどしい歌いっぷりがかわいらしいです。
KT TUNSTALL / EYE TO THE TELESCOPE KT TUNSTALL / EYE TO THE TELESCOPE
(EMI) LP

スコットランド出身のSSWである彼女のブレイクのきっかけは、映画『プラダを着た悪魔』への彼女の作品「SUDDENLY I SEE」の起用。ちょうどこの3月には2ndアルバム『DRASTIC FANTASTIC』のリリースと待望の来日公演を果たしましたが、本作はその出世作「SUDDENLY〜」を収録した04年のデビュー・アルバム。2ndももちろん素敵ですが、フロアユースという観点で見渡すとやはり「SUDDENLY〜」と、カッティング・ギターが効いた同タイプの「BLACK HORSE & THE CHERRY TREE」を収めた本作が(あくまで個人的に)好みです。でも現場用とか関係なく2枚とも素晴らしいです、ほんと。
2+1 / SUMMER RAIN IN PARIS 2+1 / SUMMER RAIN IN PARIS
(GEMMATIKA) CD

ギター&アレンジ、ベース、ヴォーカル&ヴァイオリン、ドラムス&パーカッションの4人からなるロシアのジャズ&ボサノヴァ・ユニットがPARISをイメージして04年に制作したファースト・アルバム。基本的にはアコースティック・ギターと女性ヴォーカルがメインに据えられた都会的なボサノヴァ・サウンドですが、さすがクラシック大国出身のアーティストだけあって、ギター奏法なども曲によりJAZZYだったりクラシカルだったりジプシー風だったりと変化があってしかもほんとうに聴き惚れてしまうようなテクニックとサウンド。シンプルな構成だけど飽きずに長く聴ける一枚です。陰影のある女性ヴォーカルも沁みます。
スピッツ / SAZANAMI LP スピッツ / SAZANAMI LP
(POLYDOR) 2LP

スピッツのアルバムにはどれにもフリーソウルの文脈でなんの違和感もなくかけられる素敵な曲が収録されていて、というか真っ直ぐなヴォーカルとギターを主体にしたバンド・サウンドがもう基本的にEVER GREENな魅力に溢れているのですが、2年9ヶ月ぶりにリリースされた本作にもそんな名曲がいっぱいです。特にドライブ感溢れる「桃」は本作のいちばんのツボ。ギターも歌メロも歌詞も、もうまさにスピッツ節と言えるような、「ロビンソン」直系の名曲で、目下フロアでもへヴィー・ローテーション中です。ちなみにこの2枚組アナログLPにはボーナス・トラックも3曲収録されていてお得です。
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