今月の10曲
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今月はこの春の3つのPARTYのお知らせです。

ひとつは先月も触れました今月4月28日(金)の『BLUE CAFE』@オルガンバー。昨年秋の6周年アニバーサリー以来の開催となる“春の特大号”を、BOOとSMALL CIRCLE OF FRIENDSの豪華2本立てライブをフィーチャーしてお贈りします。もちろん鈴木雅尭(APRIL SET)、三谷昌平(NOVO TEMPO)、東里起(SMALL CIRCLE OF FRIENDS)、佐野あつしのレギュラー・メンバーも全員参加。また今回もパッケージングやCDとCD-Rの違いこそあれ、中身的には『PREMIUM CUTS』シリーズに遜色のないような濃いMIX CDを制作して先着50名さまにプレゼントいたします。そしてブルーカフェはいよいよ7月からマンスリー・パーティーに復帰です!

そのBLUE CAFEの打ち上げも兼ねまして、翌29日(土)は恵比寿BAR JAMにて『PREMIUM CUTS WEEKEND @ BAR JAM』。ずば抜けて音のいいDJバーとして最近かなり話題を集めているBAR JAMでの僕の初DJとなるこの日は、タイトル通りMIX CDおよびMIX TAPE『PREMIUM CUTS』の世界観のまま、生音中心で気持ちいい選曲を心がけたいと思います。相棒は佐野あつし。こちらはノーチャージですので、いい音とうまい酒をぜひ楽しみに来てください。
http://home.j01.itscom.net/jam/

そして5月20日(木)にオルガンバーでスタートする毎月第3木曜日の新企画『premium cuts presents ビストロ・ジャズ』。残念ながら5月31日(水)をもって一旦終了する『モダンジャズ入門』のあとを受けまして、JAZZをキーワードに新しいパーティーをスタートさせます。タイトルのイメージ通り、飾らないビストロ食堂のスピーカーから流れていて、そこで出される旨い酒、旨い食いものをさらに旨くしてくれるような、さらに会話を弾ませてくれるような、そんなゴキゲンなJAZZを楽しめたらと思っています。こちらの僕の相棒は12インチ「LIKE A BOSSA」で鮮烈のデビューを飾った名古屋出身のJAZZ DJ期待の星BOOT BEATこと、神谷直明(カミヤブラック)君。JAZZで踊れるパーティーの砦としてスタートするPPREMIUM CUTSのニュー・ライン。『PREMIUM CUTS 2006』ともども、こちらもよろしくお願いします。
BLUE CAFE -Spring Special-
04/28(fri) @ Organ Bar
ADV.\2000(with1d) START21:00
●鈴木雅尭オリジナルMIX-CDを先着50名さまにプレゼント!
SPECIAL LIVE:
BOO
SMALL CIRCLE OF FRIENDS
DJ:
鈴木雅尭 (APRIL SET)
三谷昌平 (NOVO TEMPO)
東里起 (SMALL CIRCLE OF FRIENDS)
佐野あつし
渋谷航介
PREMIUM CUTS 2006 SCEDULE
APRIL 〜 JUNE

※誕生月に入場の方、入場料無料(要ID提示)

4月5日(水)『Premium Cuts 2006』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, tomomieland

5月3日(水)『Premium Cuts 2006』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, tomomieland

6月7日(水)『Premium Cuts 2006』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/AVENUE), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, tomomieland

TWISTE ET CHANTE
SILVIA DROSTE / VOICINGS SILVIA DROSTE / VOICINGS
(JETON) LP

現在も新譜をリリースして活動している西ドイツのジャズシンガー兼サックスプレイヤーの87年作品。タイトル通りヴォーカリストとしての魅力にあふれています。シンセやベースの音色、スネアのヌケなど、曲によって80年代特有のクリア過ぎるサウンドが気になるところもありますが、そんな中でBPM120で疾走するブラジリアン・クロスオーバー「JUST FLY AWAY」が、KITTY WINTERを思わせる秀逸の仕上り。後半のパーカッションと彼女の即興スキャットの掛け合いも印象的です。フィンガー・スナップを交えたスウィング・ナンバー「CHECK TO CHECK」も聴きどころ。
CHARLA BEVAN / SHADY WIFE CHARLA BEVAN / SHADY WIFE
(CRYING SWALLOW MUSIC) LP

デンバーのローカル・シンガーCHARLA BEVANの86年アルバムは、ブラジリアン・フレイヴァーあふれる傑作。声質も上記S. DROSTEにも通じる大人キュートな雰囲気で好みです。A-1に針を下ろすといきなり軽快なモントゥーノ・ピアノと彼女のスキャットで始まるラテン・ボッサな「MAGIC MAKIN'」にやられます。同系列でさらにジャズ寄りのもう一曲キラー・ナンバーが「SOMETIME LOVER」。こちらも張りのあるヴォーカルの合間のスキャットが効いています。インディーズ・ジャズを紹介する際によく書くことですが、本当にUSジャズのローカル盤は奥が深いです。
SALLY AMES SHOW / WITH ORGANIZATION SALLY AMES SHOW / WITH ORGANIZATION
(WEB RECORD) LP

こちらはマイアミのナイトクラブ・バンドの(たぶん)自主製作盤。ジャズ、ロック、ポップスなど、いかにもステージ受けしそうな幅広いレパートリーをこなすバンドのようで、「NEVER CAN SAY GOODBYE」「GET READY」「MORE TODAY THAN YESTERDAY」「IT'S TOO LATE」「DANCING IN THE MOONLIGHT」などなど名曲のカヴァーが多数収録されているのがいいですね。いずれも打っていてホーン隊が厚みを持たせているのもポイント高いですが、特に「MORE〜」「DANCNIG〜」がフロアユース。SALLY嬢のヴォーカルもパンチが効いていて相当のレベルです。
マーサ三宅 / THIS IS MARTHA マーサ三宅 / THIS IS MARTHA
(KING) LP

日本のジャズ・ヴォーカリストの大御所、マーサ三宅のアルバム。和JAZZの傑作を数多くリリースしていたKINGレコードの“NEW EMOTIONAL JAZZ SERIES”の一枚として78年にリリースされた本作は、アレンジャー前田憲男を筆頭に、西条考之介、猪俣猛、五十嵐明要などウェスト・ライナーズのそうそうたる面々が揃い、GROOVYなコンボ・サウンドでマーサの本領をよく引き出しています。特にブラジリアン・リズムが心地いい「LOVE FOR SALE」やずっしり重い8ビートに乗ったレア・グルーヴィーな「SUMMERTIME」はフロアでも如何なく威力を発揮する傑作です。
SOPHY / TE RETO SOPHY / TE RETO
(TICO) LP

このシンガーはプエルト・リコ出身で後に移住したニューヨークでラテン・マスターTITO PUENTEに認められ、彼の楽団のヴォーカリストに抜てきされて知名度を得た人のようです。72年にニューヨリカン・サルサの名門TICOレーベルからリリースした本作でも、プロデュース、アレンジ、指揮をTITO PUENTEが買って出ていて、しかも曲調もサルサ&ラテンの域にとどまらず、ストリングスやホーンも適材適所の相当な力作アルバム。中でも「AMOR Y TENTACION」はとても洗練されたダンサブルなオーケストラル・ブラジリアン・ナンバー。次作MIX CD収録をぜひお楽しみに。
CELIA REIS / O SAMBA E... CELIA REIS / O SAMBA E...
(PHILIPS) LP

主な活躍の場だったナイトクラブではブラジリアン・ソングとともにジャズのスタンダード・ナンバーも歌っていたというこの女性シンガーのアルバムは、確かに軽快にスウィングするナンバーなんかも泥臭さを押えたスマートな歌いっぷりで軽々こなしていて好感が持てます。「SO DANCO SAMBA」「INFLUENCIA DO JAZZ」といったスタンダード曲の大人な歌い回しも魅力ですが、やはり私的ハイライトはドイツのEVALDO MONTENOVOのアルバム『TRISTEZA』でも目玉曲だった「SAMBA BRIM」のアップテンポなカヴァー。ブラジル特有のヒャラヒャラしたオルガンもいい味です。
FLORENTINES / MAN OF MINE FLORENTINES / MAN OF MINE
(CHERRY RED) 12"

ELレーベルの87年4曲入りネオアコ・マキシ12インチ。プロデュース&アレンジはDEREK WADSWORTHで、全体的に楽器数を控えめにしたシックで繊細な印象の曲が並び、女性ヴォーカルのシルキーな声質を際立たせています。さまざまなアーティストの名カヴァーが存在するBENNY GOLSONの名曲で、CHERRY REDやELのコンピなどにも収録された「WHISPER NOT」のシックなアコースティック・スウィング・カヴァーが出色。「GET OUT OF TOWN」もGOTAN PROJECTあたりを想起させるクールなタンゴ・ジャズで、派手さこそないものの強い余韻が残ります。
WIND HOT & COOL / NOSTALGIA UP TO DATE WIND HOT & COOL / NOSTALGIA UP TO DATE
(HOT CLUB) LP

女性ヴォーカルとホーン5管を含むノルウェーのジャズ・グループの84年アルバム。ユニット名やアルバム・ジャケットはなんだか80'sクロスオーバーな匂いを感じさせますが、音の方はユーロ・ジャズならではのスタイリッシュなバップやジャズ・サンバなどが並ぶ好盤です。中でも目玉はELIN ROSSELAND嬢の伸びやかなスキャットをフィーチャーした「SAMBA TIL GRO」と、ホーン・アンサンブルの奏でるメロディも印象的なインスト・ナンバー「SAMBA SIFFEN」の2曲のジャズ・サンバ。そしてアフロキューバン・リズムと4ビートが交錯する「GREEN DOLPHINE STREET」。
COL NOLAN SOUL SYNDICATE / LIVE AT JASON'S COL NOLAN SOUL SYNDICATE / LIVE AT JASON'S
(AVAN GUARD) LP

オーストラリアの才人キーボーディストCOL NOLAN率いるソウル・ジャズ・ユニットの73年のライブ・アルバム。ソロでも活躍していたJOHNNY NICOLというギタリストがマイクを取ったヴォーカル・ナンバーが大きな聴きどころ。特にCORDUROYの「SKIRT ALERT」なんかにも通じる(っていうか全然年代の新しいCORDUROYの方がインスパイアされた可能性があるといった方が正しいのですが)スキャット・ドライビングなナンバー「WHAT'S THE USE」、それから「YOU MADE ME SO VERY HAPPY」と「MAKE IT WITH YOU」のビートの効いたメドレーが聴きどころです。
PIERO UMILIANI / 5 BAMBOLE PER LA LUNA D'AGOSTO PIERO UMILIANI / 5 BAMBOLE PER LA LUNA D'AGOSTO
(CINEVOX) LP

イタリア・サントラ界の巨匠UMILIANIによる、70年の映画『ファイヴ・バンボーレ(FIVE DOLLS)』のサウンドトラック・アルバム。商業監督MARIO BAVAによるこのサスペンス映画はあまり芳しい評価に恵まれていませんが、音楽の方はUMILIANIが脂が乗り切った頃の作品として非常に魅力的です。一つのメインテーマをアレンジ違いでさまざまなシーンに用いるというサントラ特有の手法がここでも見られ、哀切なメロディのテーマを華麗なコーラス・ボッサにした「CINQUE BAMBOLE」やスリリングなハードバップ・スタイルにした「DANZA JAZZ MONN」などは必聴の仕上がりです。
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