今月の10曲
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[ BLUE CAFE ]
やっと立ち上げることが出来ました。オルガンバー土曜日、"PREMIUM CUTS"ならびに"BLUE CAFE"のコーナー。「待ってたよぉ!」なんて思ってくれる人がちょっとでもいてくれるとうれしいんですけど。。。"PREMIUM CUTS"は、ワタクシ鈴木雅憲が毎週土曜日にさまざまなTOPゲストDJをお迎えして、佐野真久と三浦信とともにセッションを繰り広げる、オルガンバー土曜日の新スタンダード。各ゲストの華麗なDJプレイを核に、オルガンバークラシックスあり、新定番候補プレゼンテーションありのめくるめく一夜。これまでにも竹花英二さん、小林径さん、コモエスタ八重樫さん、福富幸宏さん、チャーベくん、伊藤陽一郎くん、井上薫くん、ツッチーなどなど、豪華ゲストがそれぞれのカラーで盛り上げてくれました。今後もさまざまな方をお招きする予定ゆえ、ぜひ遊びに来てください。
レアグルーブマスター小林径氏(Routine jazz)をゲストにお迎えしたとき。超絶のカットインプレイに全員ノックアウト!!
鈴木雅憲(peanut butter workshop / april set)
「オリジナルのリリースも続けています。オルガンでいつもいち早くかけるので、よろしく!!」
佐野真久(phat is jazz?)
若手にしてベテラン。辰緒さんや鈴木の信頼も厚いが、唯一の不安材料はぜい弱な体力と記憶喪失か。
三浦信(charade)
ジャズ解釈に抜群の広い視野を持つシャレードの若頭(?)。ピンチに弱く目が泳ぎ挙動不審になる。
オルガンの週末は女子度高め。美女度も高め。スタッフの顔もほころびっぱなし。
TWISTE ET CHANTE
 Cinamon and clove / LEE EVANS Cinamon and clove / LEE EVANS
( MGM )

N.Y.を中心にアメリカ・ショウビズの世界で活躍し、何枚かのリーダー・アルバムを上梓しているJAZZピアニスト、リー・エヴァンスがコーラス部隊を従えMGMからリリースした傑作。肌触りとしては先月紹介したレグ・ウィルソンに近いけど、あの盤でピアノと共演したのが女性1人のスキャットだったのに対し、こちらは男女混声。バーデン・パウエルの「CANTA DE OSSANHA」やエドゥ・ロボの「LAIA LADIA」など、ナイス・ジャズボッサなカヴァー満載。そして白眉はやはり、バランソも確かカヴァーしてた「CINAMON AND CLOVE」。
 Det ar jag som ar... / ANITA STRANDELL Det ar jag som ar... / ANITA STRANDELL
( polydor )

ギミックスのヴォーカル、アニタ・ストランデールの77年のソロアルバム。サウンド・プロダクトはギミックス後期に近い作風。唄うことの楽しさがストレートの伝わるキュートなヴォーカルとコーラス、ソフトロックからサンバまでの型にとらわれない選曲とダイナミックなバッキングなど、まるまる一枚フリーソウル的な音楽の歓びに満ちた一枚。中でもメタ・ルースのサンバ・カヴァーで有名なニール・セダカの「HERE WE ARE FALLING IN LOVE AGAIN」は、昇天必至のディスコダンサー。
 Oscillation 67! / THE LEADING FIGURES Oscillation 67! / THE LEADING FIGURES
( DERAM )

"plays yesterday's swingers for today"っていうサブタイトルも「くぅー、たまらん!」っていう感じですが、中身の方も、ビッグバンドによるHIPな jazz a go-go 満載で、たまらない出来。「TUXEDO JUNCTION」や「AMERICAN PATROL」、「BIG NOISE FROM WINNETKA」など、分厚いホーンの洪水に息も絶え絶え。そんじょそこらのスパイ映画サントラも真っ青。
 This is our soul / THE FLAMINGO GROUP This is our soul / THE FLAMINGO GROUP
( SUPRAPHON )

ドリス・ストランデールやルルに近いハスキー系のヴォイスがそそるMARIE ROTTROVAっていう女性ヴォーカルに迎えた、チェコのフラミンゴ・グループの70年のソフトロック&ブルースロック盤。弾むビートにグルーヴィなホーン、高らかでいてはしゃぎ過ぎないCOOLなヴォーカルのA-1の「BIG CHAIN」にいきなりショートレンジのいい右フックをもらい、続く(イージー・ライダーのサントラでもおなじみの)ザ・バンドの永遠の名曲「THE WEIGHT」のカヴァーにただ涙。インスト曲「SUNNY」でリードを張るオルガンもVERY COOL。
 A festa do trio esperanca / TRIO ESPERANCA A festa do trio esperanca / TRIO ESPERANCA
( ODEON )

女性2名、男性1名っていう、TRIO TERNURAと同じ構成のブラジルのコーラスグループ。テルヌウラに比べても可憐な女性2名の声をより重視したバランスの、爽やかなコーラスワークが売り。けっこうたくさんアルバムをリリースしていて、時期によってソフトロック寄りの盤やMPBっぽい盤があるみたいですが、この67年盤には「GEORGY GIRL」のナイスカヴァーや、「TRISTEZA SEM FIM」「CHUVA FINA」など、フロアユースないい曲がいっぱい。同じくデビュー盤の「TRIO ESPERANCA」もソフトロック系の佳曲多数収録。もうビートバップレコード古川さんには、ほんとお世話になりっぱなしっス。
 Grown to know me / THE ANITA KERR SINGERS Grown to know me / THE ANITA KERR SINGERS
( AMPEX )

さまざまなスタイルの美しいハーモニー(&スキャット)を駆使してたくさんのアルバムを生み出し、メキシカリ・シンガーズなどさまざまな別名義でも多くの傑作を発表してきたアニタ・カー。いかんせんクラブユースには難しい穏やかな曲がほとんどですが、このローカル・レーベルのアンペックス盤には「ELI'S COMIN'」や「BLAME IT ON A MONDAY」といった音圧の高いレアグルーヴィーな名曲を収録。アメリカの人たちはピックアップトラックの窓を全開に開けて8トラックのカーステレオでこんな気持ちのいい曲を大音量で流しながら広い道を飛ばしたりしてたんだろうなぁ。気持ちいいだろうなぁ。
 Rita, o mosquito / RITA PAVONE Rita, o mosquito / RITA PAVONE
( RCA VICTOR )

世界各国でアルバムをリリースした女性シンガーっていうとカテリーナ・ヴァレンテやコニー・フランシスなんかが思い浮かびますが、このネイティブ・イタリアンの、いわゆる天才お子さまシンガー、リタ・パヴォンも、本国はじめヨーロッパ各地、北米・南米などで売れっ子だったらしい。このアルバムは彼女の活躍をとらえたテレビ番組「Rita, o mosquito」のサントラ仕立てブラジル64年盤。キッズらしい元気にあふれたゴーゴーやツイスト、ロックナンバーが満載。っていっても雰囲気が想像つかないと思うんですが、そうですね、例えるとフランス・ギャルの「A BANDA」あたりをもうちょいヤンチャにした感じですかね。
 We are goin' down jordan / THE LES HUMPHRIES SINGERS We are goin' down jordan / THE LES HUMPHRIES SINGERS
( LONDON )

ドイツ出身でやっぱり各国で人気を博したロック系コーラスグループ、ハンフリー・シンガーズ。このアルバムのオリジナル曲の数々は、これぞソフトロックっていう打ってよしハモってよしの使える曲ぞろいですが、やっぱりA-1のスティーブン・スティルス作「LOVE THE ONE YOU WITH」の熱唱カヴァーが問答無用の必殺チューン。そういやぁかつてのこの人たちのヒット曲「MAMA LOU」って、「マーマールゥ・マーマーマルゥ」っていうサビコーラスの部分のリフがなんとなく「まんまるぅ、まんまんまるぅ」って聴こえるなぁ。よって勝手にまんまる姉さんのテーマに決定。
 Garden of love / BOB AZZAM Garden of love / BOB AZZAM
( EMI COLUMBIA )

フランスで長年チャ・チャ・チャ系のシングル・リリース中心に活動してきたボブ・アザムは、スウェーデンに活動拠点を移してからは、ラテン中心の音楽から脱してブラジリアンやソフトロックを手掛けるようになり、<ムジカ〜>収録のライブ盤はじめ何枚かのフロアユースな名盤をリリースしてます。マーケットを考えての事なんでしょう、ほとんどの曲を(本人が)英語で唄ってたりします。このスウェーデン発71年リリースのアルバム『愛の園』もそんな一枚。とほほなジャケからは俄(にわか)には信じがたいと思いますが「LET'S CELEBRATE」「HERE COMES THE DOWN」「DON'T DO IT ALONE」など、"ソフトロックサンバ"とでも言いたくなるような傑作を収録。「LET'S CELEBRATE」なんて、はじめてオルガンのフロアで聴いてもきっとどこか懐かしい感じがするような、こみあげ系もりあげ系のとても印象深い曲。
 FRENCH FILM THEMES GOLDEN PLIZE FRENCH FILM THEMES GOLDEN PLIZE
( BARCLAY )

さて、今月のロシュフォール。バークレー・レーベルの日本盤「フランス映画ゴールデン・プライズ」っていう69年の編集盤に収録の例の「双児姉妹の唄」は、ジュリアン・バレー・グランド・オーケストラの演奏。たぶん営業バンドなのかなあぁ。ところがこれがルグランのオリジナル・オーケストラ・バージョンに負けず劣らずのダイナミックなビッグバンドJAZZスタイルであり。オルガンバーでの1年弱、常にレコードバッグにスタメン入りしてきました。こういう企画ものの映画音楽カヴァーアルバムって、ほんとにたくさん出ていますね。安く。コンボ編成の4ビートJAZZカヴァーのロシュフォール収録の盤なんかも町の小さな中古盤屋さんの<映画音楽コーナー>でゲット。ちなみにどちらも千円台デシ。
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