今月の10曲
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お待たせしました。プレミアム・カッツのページです。ずいぶん時間がかかってしまいましたが、画像の転送などがなかなか思うように進まず、まだ仮オープンです。先行で、WARAくんにジャケを撮ってもらっておいたレコードチャートのコーナーから立ち上げます。間もなく本編も公開予定ですので、よろしくお願いします。

さて、久しぶりのチャート復活です。これから毎月きちんと更新します。基本的に‘紹介’っていうからには、やっぱりなるべくみなさんが未知のものをお披露めするべきものだと思うので「◯◯さんのミックステープにも入っていました□□」とか、「△△さんがチャートで紹介していました××」とかっていう盤はなるべく紹介しないようにしたいんですが、なにせいまは特集本やチャートサイトがとても充実していて、ミックステープもORGAN B.SUITEをはじめ数多く素晴らしいものがリリースされており、全てチェックするのは到底不可能ゆえ、かぶっているものが万一あっても平に御容赦ください。ではでは。
 The Latin American Caper / STAN TRACEY The Latin American Caper / STAN TRACEY
( EMI Columbia )

以前紹介したSTAN BUTCHERを肴に小西さんや辰緒さんと呑んでいて話していたのは、イギリスやアメリカのアレンジャーやプレイヤーにだって、底知れずすごい人ってまだまだいっぱいいるんだろうなぁ、っていうこと。このスタン・トレイシーっていうピアニスト&アレンジャーもボクはそんな中の一人だと思います。ラテンパーカッションと分厚いビッグブラスをバックに69年に録音されたこのアルバムでも、ピアノとヴィブラフォンのユニゾンやフルートやクラリネットのユニゾンを縦横無尽に躍らせていて、痛快の極地。よくドライヴする豪快まるかじりなドラミングは、偶然にもスタン・ブッチャーの例の盤と同じくBARRY MORGAN。どうやらこの人がグルーヴの肝。A-5(っていう曲数自体、コンパクトで使いやすい尺であることを物語ってますね)の極上のカクテルラテンジャズ「CAPULLITO DE ALELI」などでの、ひとつひとつの音の“粒立ち”“光沢感”はどうだろう。まるで、よく冷えたビールを注いでジョッキの外側に出来た“汗”のような。BLUE CAFE MIX #4に収録。
 What a Lovely Way : Go Back to Daddy / DORIS What a Lovely Way : Go Back to Daddy / DORIS
( EMI columbia )

数年前にアルバム『DID YOU GIVE THE WORLD SOME LOVE TODAY,BABY』がアナログ・リイシューされた、おなじみスウェーデンのビッグスター(裏ABBA? って、ドリスのが全然先か)、ドリス。「DON'T」や「BEATMAKER」なんていうGROOVYキラー・チューン満載で狂喜したものですが、そのとき同時にリイシューされたCDバージョン(最近あまり見かけません)には大量のボーナストラックが入っていて、そのなかにこのスウェーデン盤7インチの2曲も含まれていたというワケ。こみあげ系2ステップJAZZの最高峰「What a 〜」と、シャウト系GO-GOの最高峰「Go Back to〜」の最強カップリング。いずれもキラー中のキラー。いや、最上級形容詞の大安売りみたいなのは承知の上で、あえて言いますが。BLUE CAFE MIX #5ならびに#6にAB面収録。
 Gold Disc / MICHEL LEGRAND Gold Disc / MICHEL LEGRAND
( BELL CBS/SONY )

いわゆる町の中古盤屋さんにゴロゴロとありましたね、このゴールド・ディスク・シリーズ。サイモン&ガーファンクルとか、アンディ・ウィリアムスとか、パーシー・フェイスとか。これもそのシリーズで、ミッシェル・ルグランの72年の東京公演の模様を含んだ日本編集のベスト盤(この東京公演だけのライブ盤も同シリーズからかつてリリース)。オリジナルのサントラではサーキットのアナウンスの声やエンジンノイズが強すぎてクラブPLAYに不向きだった「栄光のル・マンのテーマ」が、ここでは拍手にもほとんどまったく邪魔されず、フルオケを従え、かなりの強いビートで疾走。血沸き肉躍るジャズロックな仕上がりになっています。ヴィクトリア・リドルとの掛け合いで自らヴォーカルをとった「ロシュフォールの恋人たち〜双児姉妹の唄」での声もかすれるほどの絶唱ぶりも、大きな聴きどころの一つ。BLUE CAFE MIX #7に収録。
 愚か者の代弁者、西へ / 小西康陽 愚か者の代弁者、西へ / 小西康陽
( GRR )

今月のジャポネ代表は、シティボーイズ93年の同名ライブのオリジナル・サウンドトラック盤。ジャケデザインで一目瞭然ですが、エンニオ・モリコーネに捧げられたこのアルバム、サウンドはマカロニ・ウエスタンとボッサ・ビートやソフトロック・テイストが絶妙にブレンドされたレディメイド・ウエスタンていう趣き。かつて小西さんからいただいたこのリミテッド・プレスのアナログ盤は、以来、かなりの使用回数に耐えており、最近は「メインテーマ(タイトル)」をDAVE DEE,DOZY,BEAKY,MICK & TICHの西部劇チックなソフトロック「THE LEGEND OF XANADU」からの流れで使わせてもらっており、ブルーカフェMIX CD #6にも収録させていただきました。あらためて、ありがとうございました。BLUE CAFE MIX #6に収録。
 88 Keys & a Girl / REG WILSON 88 Keys & a Girl / REG WILSON
( United Artist )

60年代のニューヨークを中心にさまざまなセッションなどで活躍したピアニスト、レグ・ウィルソンが、スキャットの名手CORINNA MANETTO嬢と組んで制作したリーダーアルバム。お手頃価格でたまに見かけます(アメ盤だしね)。ボンゴも躍るミッシェル・ルグランの「華麗なる賭け」は土曜日のヘヴィー・ローテで、“これって誰?”率かなり高しなんだけど、オリジナル曲「SYLVIA'S THEME」や「AT HOME WITH HOLMES」などのジャズ・ボッサ・ナンバーでも躍動感あふれるピアノとハイトーンのダバダバスキャットの掛け合いがとても美しく、作曲力やアレンジ、カヴァーセンスも含めて真っ当にいいアルバムだと思います。探しましょう。BLUE CAFE MIX #5に収録。
 Je Suis De Nulle Part / MARIANNE MILLE Je Suis De Nulle Part / MARIANNE MILLE
( Barclay )

マリアンヌ・ミルの60年代にリリースされた何枚かの7インチは、いわゆるひとつのガール系フレンチポップスですが、74年にバークレーからリリースされたこのアルバムは全体にアダルトでフォーキーなしっとりしたつくり。そんな中にあって「LE MARCHAND DE THE」(紅茶の商人?)という一曲だけは、例えばジャンヌ・モローの「QUELLE HISTOIRE」なんかとの流れでも朝3〜5時の週末のオルガンのピークタイムに堂々主役を張れるエモーショナルなソフトロックの名曲。打ってるし、声はキュートだし。“トゥールールトゥールールトゥールールル”っていうサビのスキャット、もう<こみあげ系>もいいとこ。たまりません。プレイしながらつい自分もブースで唄っちゃってますね。BLUE CAFE MIX #2に収録。
 Ca va, Ca Vient / LIANE FOLY Ca va, Ca Vient / LIANE FOLY
( Virgin )

身近なある若手DJが教えてくれた「PUT THE BLAME ON MAME」の必殺カヴァー収録の12インチ。このリアン・フォリーの88年の同時発売のアルバム『THE MAN I LOVE』はこの時代の音楽の隆盛の御他聞にもれずテクノポップなアレンジなんだけど、なぜかアルバム未収録(CD版には収録。でも不思議とCD版ではローが効いていなくて全然迫力不足)のこの「PUT 〜」だけは、ボ・ディドレー・ビートのフロアタム炸裂。マジ別人(いや、声は相変わらずクールなんだけど)。ピークタイム使いまくりの一枚です。こんな風に80年代の音でも、知る人ぞ知る、知らない人は全く素通りするような、いま聴いてグッとくる曲、まだまだあるんだろうなぁ。確率は低いだろうけど。BLUE CAFE MIX #6に収録。
 Same / NICO GOMEZ & COPACABANAS Same / NICO GOMEZ & COPACABANAS
( GIP )

ニコ・ゴメスといえば「RIO」そして「AQUARELA」が人気ですが、よっぽど本人が気に入ってるんですね、この2曲。「AQUARELA」にはニコ・ゴメス&コパカバナスとして78年にかなり“打ってる”新録があるし、82年のベスト盤にもサンバ色強めの別テイクが収録されています。同様に「RIO」も『NICO GOMEZ BOSSA-NOVA』っていうアルバムにリヴァーブ強めの異常に気持ちよい新録音ヴァージョンが収録されています。さてこのコパカバナスとしてのデンマーク盤のアルバムですが。他にも「MUE PIAO」「BRIGITTE BARDOT」「AGUA」など、いい曲いい演奏いいコーラスのナイス・ブラジリアンを連発。‘所詮昔の営業バンドじゃん’なんていう陰口も耳にするニコ・ゴメスですが、やっぱりあなどれないですね。BLUE CAFE MIX #6に収録。
 Music for Loving / EDDIE WARNER Music for Loving / EDDIE WARNER
( I'llustration Musicale )

例の<ムジカ・ロコムンド>で紹介されていたsaint-germain-des-presの名ライブラリーNo.110『PRIMAVERA』にひけを取らないライブラリーものを一枚。やはりフランスの優良ライブラリー・シリーズであるこの<im>のNo.15、サイドAがスキャット・サイドでサイドBがシンセ・サイド。このサイドA全7曲中の4曲がフロア対応で、そのどれもDORISやLULUに似たFEELのちょいとかすれ気味のいかした女性スキャットがたっぷりちりばめられ、ボッサ、ソフトロック、GO-GOなど、タイプは違えど、みんなかなりのもの。特にA-1の「YOUNG LOVE」はとてもチャーミングなメロディを持つジャズ・ボッサ・ナンバーであり、フロアライクでオルガンライクでストライク(やっちまった)。BLUE CAFE MIX #8に収録予定。
 Et Voila! / PEANUT BUTTER WORKSHOP Et Voila! / PEANUT BUTTER WORKSHOP
( LOW BLOW )

私事で恐縮ですが6/21にCDリリース、7/10にアナログリリースの、ワタシと水谷幸正のユニット、ピーナッツ・バター・ワークショップのデビュー・ミニ・アルバムです。6曲作るのに1年近くかかってしまいました。没にした曲もいくつかあったりして。以下、三谷君がチラシ用にくれたコメント(THANKS!)が最適な曲目紹介になっているので引用させていただきます。興味があったらぜひ聴いてみてください。・・・『以前、鈴木さんはどこかのコラムの中で「歌心のある作品を作っていきたい」と語っていましたが、水谷君との強力タッグで、まさにその言葉通りの素晴らしい作品が出来あがりましたね。哀愁漂うスキャットが印象的なボッサ「Bossablanca」、マイルスのようなペットが心地よいロービートの「Remembrance」、ジプシーヴォイスと哀愁のギターが胸を熱くさせる「South of the Border,Under the Sky」、美しいピアノが心をうつダビー・チューン「Farewell My Lovely」等々・・・、すごく楽しく聴かせていただきました。鈴木さん、水谷くん、完成、おめでとう&ありがとう。三谷昌平(RITMO FANTASTICO)』
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