今月の10曲
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とうとう21世紀になってしまって、2001年になってしまって、だけどよく考えたらあまり何も変わってないですね。というわけで、『thru spray colored glasses』第14回は「時が経っても変わらない」がテーマ。良いものはいつまでも。これからも変わらずレコードを買って行くつもりです。
さて、今回をもちましてこのコーナーはしばらくお休みをいただくことになりました。長い間応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。


 FRANK VALDOR 『LIVE IN RIO』 141. FRANK VALDOR 『LIVE IN RIO』
( somerset )

ドイツからのニュー・ディスカバリー。アレンジャーのフランク・ヴァルドーが、ブラジルのミュージシャン達と放ったサンバのレコード。全編を通してヴァイブが入っている辺りからほのかにヨーロッパの香りを感じる。テンポ良い「DESAFINADO」、そして極め付けは「TRISTEZA」、圧倒的なグルーヴ。ちなみに、タイトルからするとライヴ盤かと思ってしまうけど、実際には普通にスタジオ録音。リオの熱風に思いを馳せるジャケット。
 THE JOHN CAMERON QUARTET 『OFF CENTRE』 142. THE JOHN CAMERON QUARTET 『OFF CENTRE』
( DERAM/LONDON )

ライブラリでも名を馳せているイギリスのピアニスト、ジョン・キャメロン率いるカルテット。「TROUBLEMAKER」はジャケットから予想される通り、レアグルーヴ全開。くぐもったフルートの音色の肌触りが空気を引締める。半透明の写真を巧みに使ったジャケットのレコードは大体内容もエッジが効いている。
 BIRGIT LYSTAGER & POUL FREIBER 『OJEBLIKKE』 143. BIRGIT LYSTAGER & POUL FREIBER 『OJEBLIKKE』
( Rocco Music )

相変わらず名前の読み方がさっぱり分からないデンマークのブリジット?さんと、夫のポール・フレイバーのレコード、1983年。微妙な年代のレコードながら、「SAMBAD」では夫婦のスキャットが爆発している。「パ〜、ヤッパヤバダ〜」というスキャットがどうしても「やっぱ山田ぁ〜!」という山田君応援サンバに聴こえてしまって仕方がない・・・。他の曲はベースの音が太過ぎて、ちょっと。
 FRANCE GALL 『COMPUTER Nr.3』 144. FRANCE GALL 『COMPUTER Nr.3』
( DECCA )

フランス・ギャルのこのシングル盤は、割ともう知られているけど、やはりそのテンションの高さとモンドなSEには軽いショックを隠し切れない。若さって多分こういう事。ジャケットのフランス・ギャルがなんとなく偽物っぽいというか、双子の姉妹っぽいような気がする・・・。とにかく、手に入れるのは年を取る前に、若いうちに。
 DANIELA UND ANN 『Samba-Soul-Beat in BLACK & WHITE』 145. DANIELA UND ANN 『Samba-Soul-Beat in BLACK & WHITE』
( Orange )

ここからは友達の協力のもとに3枚のレコードを。
ジャケットと楽曲の両方とも、ここまで完璧なレコードを、他に知らない。ドイツからのニュー・ディスカバリー、全編を通して驚きのクオリティのグルーヴィー・ソフトロック、シタール、ボサノヴァ、サンバ。「THE REASON WHY」「LA SAMBA D'ORPHEE」にブラジル音楽への憧景が感じられる。クレジットの「"Black" (Ann, 19), "White" (Daniela, 18)」という割り切った紹介の仕方も面白い。アンさんはミュンヘンでの『ヘア』の講演に出たことがあるらしい。とにかくポップなフィーリングに溢れた名盤!
 PIOTR FIGIEL ENSEMBLE 『GDZIES, KIEDYS.... SOMEWHERE, SOMETIME....』 146. PIOTR FIGIEL ENSEMBLE 『GDZIES, KIEDYS.... SOMEWHERE, SOMETIME....』
( pronit )

一部では既に人気のあるポーランドのピョートル・フィゲール。これは割と後期のレコードで、あのノヴィ・シンガーズがコーラスで参加している。暗闇の中の足音、そして銃声から始まるハードボイルド・タッチの「AGENT 008」、高速スキャットが爆発する「NA ZLAMANIE KARKU」がカッコイイ。1980年のポーランドの空の下、何を思ったか、そして彼の身に何が起こったのか、ガソリンをグラスに注いで飲まんとしている・・・。
 BUG ALLEY 『same』 147. BUG ALLEY 『same』
( P.M. )

カナダのジャズ・コーラス・グループ、バグ・アレイの、全編スキャットに彩られたレコード。1980年という時代の色が如実に反映されたジャケット・デザインには思わず一歩後ずさりしてしまいそうだけど、ヒップな「MILESTONES」カバーが気持ち良い。そして、ブラジリアン・フレイバー溢れる「SANCHO SUITE」の生み出すグルーヴ。「表ジャケではあんな古風な格好をわざとしてるけど、本当の俺達・私達の姿はこんなもんよ」と裏ジャケで見せる当時のお洒落感覚もなんとなく可笑しい。
 HIMIKO KIKUCHI 『DON'T BE STUPID』 148. HIMIKO KIKUCHI 『DON'T BE STUPID』
( CONTINENTAL )

さて、ここからは日本のレコードを。
菊地ひみこは、友達から教えてもらって最近友達との間で再評価の高まっている人で、他にも素晴らしいレコードを残している。1980年リリースのこのレコードでは、女声スキャットが非常に美しい、ブラジリアン・テイスト溢れるフュージョン・サンバ「WHAT'S BABY SINGIN'」が白眉。曲の始めと終わりに赤ん坊の声が入っているところも面白い。注目するべきは、放送コードすれすれの、男女判別が難しい容姿・・・ではなくて、「日本でもこんな素晴らしいレコードが生まれていたのだ」ということ。と、友達の間で再評価が高まっていた矢先、ライナー・トゥルビーのコンピにこの曲が収録されてしまった。
 DETERMINATIONS 『FULL OF DETERMINATION』 149. DETERMINATIONS 『FULL OF DETERMINATION』
( OVERHEAT )

ここからは新譜のレコードを。
大阪のオーセンティック・スカのバンド、ということ以外は詳しいことは分からないのだけれど、とにかく「UNDER MY SKIN」、この曲に尽きる。一聴して人を魅了するメロディ、胸にグサリのヴォーカル。そして文句なしに演奏が上手い。実は、渋谷のレコード屋さんを少なからず回って、結局ようやく見つかったのがタワーレコード・・・。渋谷にはレコード屋さんがたくさん点在しているのに、再発ばかり出してマスト!マスト!と煽る前に、こういうレコードを普通にちゃんと置いて欲しい。ジャケットはちょっと、だけど、長く聴けるレコード。CDも出ている筈なので、ひとつ。
 FANTASTIC PLASTIC MACHINE 『BEAUTIFUL. EP 1』 150. FANTASTIC PLASTIC MACHINE 『BEAUTIFUL. EP 1』
( L'APPAREIL-PHOTO bis )

「WHISTLE SONG」、アルバム唯一のカバー曲云々、と言うことはとりあえず置いといて、オルガン・バー5周年で田中さんが掛けていたこの曲を初めて聴いた時は本当に感動してしまって。この瑞々しさと言ったら! どうやら3月頃に『BEAUTIFUL. EP 2』が出るとのことなので、そっちにはクララ・モレーノが歌うオデッセィ使いの曲が収録されれば良いなぁ。
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