今月の10曲
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早いもので、この『thru spray colored glasses』、今回で1周年を迎えることが出来ました。めでたい。というわけで第12回のテーマなんですが、「1年間」というテーマにしてコリン・ブランストーン『ONE YEAR』なんて選んでみるのも雰囲気だけど、敢えて1年前と同じ「金木犀(キンモクセイ)の香り漂うレコード」です。近所の金木犀はとっくに枯れてますが・・・、まぁそれはそれ、ということで。


 PHIL MOORE JR. 『RIGHT ON』 121. PHIL MOORE JR. 『RIGHT ON』
( ATLANTIC )

1年前、このコーナーで1番最初に選んだ記念すべきレコードというのがアフロ・ラテン・ソウルテットのレコードでした。そして、これはアフロ・ラテン・ソウルテットのリーダーのソロ作。幻想的な女声スキャットの入った「NAPPY HEAD CHILD」を筆頭に、ソウルフルな演奏が凝縮されています。ジャケットの、フィル・ムーアJr.が寄り掛かっている木、これってよく見ると実は金木犀なんです(ウソ)。
 BIRGIT LYSTAGER 『FAVORITTER』 122. BIRGIT LYSTAGER 『FAVORITTER』
( RCA )

デンマークの隠れたソフトロック名盤。一部で話題になっていた、「TRISTEZA」のカバー「CHRISTINA」収録。ヨーロッパのフィルタを通したボサノヴァの解釈。「TERESA」というリル・リンドフォースによる「TRISTEZA」カバーが最近とても人気ということで、友達にそれが入ったレコードを聴かせてもらったんですが、これがかなり似通ったアレンジで驚きました。「ラララーラー」のお馴染みのコーラスが、子供コーラスになっているところなんかも。リルよりもヴォーカルは凛としているのですが、1テンポ遅れる子供コーラスがなんとも不思議でかわいらしいのです。しかも「トリステーザァ〜」ではなくて「クリスティーナァ〜」と歌っているところも愛らしい。「DET ER LET OG LIGETIL」は「A BANDA」タイプのユーモラスな佳曲。トニー・ハッチ作の曲も2曲カバー。それはさておき、名前の読み方がさっぱり分からない・・・。
 O.S.T. 『O HOMEM QUE DEVE MORRER』 123. O.S.T. 『O HOMEM QUE DEVE MORRER』
( SOM LIVRE )

ブラジリアン・サントラ。オ・ソン・リヴリによるマルコス・ヴァーリの「WANDA VIDAL」やルイス・カルロス・サー「A LEI DA TERRA」のパーカッシヴに刻むリズム。ノナト・ブザールによるタイトル曲は後半ナレーションが挿入されてからが面白い。イルカ・ソアレスとオ・ソン・リヴリによる肩の力の抜けたスキャット曲「UM CERTO DIA」が今の季節に合いそう。
 JIMMY WEBB 『THE NAKED APE』 124. JIMMY WEBB 『THE NAKED APE』
( Playboy )

サントラ猿。ジム・ウェッブが作曲をつとめているとあって、ソフトロック的な内容を期待するも、実際はナレーションがメイン。男声のかすれた声によるナレーション「CATHY'S THEME: Pair-Bonding」に魅きつけられる。そして、ジャケットのアートワークに負けない、レアグルーヴ全開の「THE ELEPHANT HUNT」が白眉、女声のポエトリー・リーディングも強烈にカッコイイ。全体として不思議な雰囲気を漂わせるサウンドトラック。レーベルがあのプレイボーイというのもなんとなく嬉しい。
 LEONARD ROSENMAN 『BENEATH THE PLANET OF THE APES』 125. LEONARD ROSENMAN 『BENEATH THE PLANET OF THE APES』
( AMOS )

サントラ猿。猿の惑星関連では一番グルーヴのあるサントラではないでしょうか。スリリング過ぎてリスニング用には向かないですが。多くの部分に劇中のダイアログが挿入されていて、あのコーネリアスの声も収録しています。「MARCH OF THE APES」がグルーヴィーでなかなか良いです。この映画のタイトルを引用したコンピシリーズもありますね。
 PETER NERO 『HITS FROM 126. PETER NERO 『HITS FROM "HAIR" TO HOLLYWOOD』
( Columbia )

「THE WINDMILLS OF YOUR MIND」、これに尽きる。
 話せば長くなるが、今から約2年前、知人宅で見つけたピーター・ネロの『GOLD DISC』というレコードに入っていた、この曲を発見した時のこと。その場にいた全員が松田優作ばりに「なんじゃあ こりゃあ!」と叫び、しばし絶句・・・。「他の曲はゆる〜いイージーリスニングばかりなのに、なんでまたこの曲だけ・・・」、そう、ピーター・ネロは『華麗なる賭け』が原曲のこの曲に、ブレイクビーツをベースにムーグを多用したアレンジを加えていたのだった。
 『GOLD DISC』シリーズというは当時数多くの種類が作られていた日本編集盤で、今ではこの手のレコードは地方の古くからやっているレコード屋さんの専売特許。だからそういうところに行って、隅の方にあるレコード棚から金色のジャケットを探し出した時はいつもドキドキした。
 と、何故かいつになく物語調になってしまいました。結局、その『GOLD DISC』にはこのレコードから収録されていたわけです。他にもムーグ・サンバ「BE-IN (Hare Krishna)」や女声コーラスの入った「GOOD MORNING STARSHINE」など、B面の『ヘア』のカバー曲に良い曲が多いですよ。
 STAN KENTON 『HAIR』 127. STAN KENTON 『HAIR』
( Capitol )

『ヘア』のカバーならこのレコードだって決して引けを取らない。スタン・ケントンのピアノはこの際どうでもよくて、アレンジを担当するラルフ・カーマイケルの、宗教ソフトロックで慣らした豪快なホーンセクションとコーラスワークが爆発している。「HARE KRISHNA (Be In)」がその好例、インスト曲の「COLORED SPADE」にはナイス・ブレイクが。両切りの煙草を5本もくわえた、髪の毛多過ぎのジャケットのインパクト。
 THE AFRO BLUES QUINTET PLUS ONE 『DISCOVERY 3』 128. THE AFRO BLUES QUINTET PLUS ONE 『DISCOVERY 3』
( Mira )

アフロ・ブルース・クインテット・プラス・ワン、彼らのレコードは、どれも何度聴いても飽きることがない。ジャケットのデザインもどれもディレクションが行き届いている。「LA LA LA LA LA」、タイトルからして興味を引かれるが、彼らにしては珍しくコーラスを披露している。「VIVA CEPEDA」、彼らにしては珍しく派手な鳴り物が目立つと思ったら、クレジットにはカル・ジェイダー作とあってなんとなく納得。グッド・ミュージック。
 布施明 『サバイバル』 129. 布施明 『サバイバル』
( KING )

「君は薔薇より美しい」収録。原曲もやっぱり良かった。この曲、当時ヒットしたらしいです。他の曲は歌謡臭いのかと思いきや、これが意外にもなかなか良いソフト・ディスコ調。ジャケットに漂う哀愁とは裏腹に、「恋のサバイバル」「セ・ラ・ヴィ」など、声量も申し分ない。バックをつとめるのはゴダイゴ。
 SHAWN LEE 『HAPPINESS』 130. SHAWN LEE 『HAPPINESS』
( WE LOVE YOU )

ネオアコのような胸にグサリと刺さる男声ヴォーカル、かき鳴らさせるボサノヴァ風のギター、ボブ・クリュー「AN ANGEL IS LOVE」タイプのこみ上げ系の構成、「HAPPINESS」、これは名曲ですね。このショーン・リーというイギリスのSSWによる新譜の12インチにはミックスを変えたものも入っていて、「HAPPINESS (Ashley Beedle's West Coast Beach Bossa Vocal Mix)」「HAPPINESS (LP Version)」が良かった。曲名からうかがえるようにアルバムも出てます。限定プレスの7インチなんていうのもあって、それに入っていた「HAPPINESS (Ashley Beedle's Secret Bossa 7 Mix)」というコーラス部分だけを強調したミックスもナイス。
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