今月の10曲
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オリンピックがあって、今年が2000年なんだっていうのに改めて気付きました。『thru spray colored glasses』第12回のテーマは、「テレビの音を消して、オリンピックの映像だけ観ながら聴くレコード」。オリンピック終わっちゃいましたが、競技に合わせてレコードを変えて観ると面白いです。


 O.S.T. 『O CAFONA』 111. O.S.T. 『O CAFONA』
( SOM LIBRE )

ブラジリアン・サントラ。今年で買ったレコードの中でも1番の内容かも知れないです。硬質な印象を受けるジャケットとは裏腹に、とにかく全編強烈にファンキーな曲の目白押し。挙げて行けばキリがないけど、マリリア・ペラという女性によるスキャットが爆発した「SHIRLEY SEXY」、そしてマルコス・ヴァーリの兄弟のパウロ・セルジオ・ヴァーリとアンジェラ・ヴァーリ夫妻が歌うタイトル曲「O CAFONA」はハンド・クラップにつられて何度聴いても熱くなってしまいます。思わず意味もなく地球の裏側の人達を尊敬してしまった・・・。仕掛け人はノナト・ブザール。
 SERGIO MENDES 『ALEGRIA』 112. SERGIO MENDES 『ALEGRIA』
( ALFA )

今、ボクの友達の間でセルジオ・メンデスの再評価熱が高まっているのです。「セルメン・クローン」と呼ばれる、セルメンに影響を受けたと思われる世界各地のグループのレコードが一部で人気ですが、そういう高いレコードを買う前に本家セルメンをちゃんと聴かねば(って、ちょっと説教臭いか)。このレコードはセルメンの個人名義での79年リオ・デ・ジャネイロ録音。微妙な年代というのもあって、野暮ったいというか俗っぽい内容の曲もありますが、鈴木さんのMIX CDにも収録の「ULTIMA BATUCADA」や、アストラッド・ジルベルトが「THE SEA IS MY SOIL」という曲名でカバーした「O MAR E MEU CHAO」等、良い曲入ってます。そしてベスト・トラックは「AQUELAS COISAS TODAS」、女声コーラスが心地良い洗練された曲です。これ日本盤なんですが、モノひどいデザインのジャケットですね・・・。
 BRIAN BENNETT 『CHANGE OF DIRECTION』 113. BRIAN BENNETT 『CHANGE OF DIRECTION』
( Columbia )

ブライアン・ベネットというイギリスのドラマーのレコード。当然ドラムがドッシリ鳴っていて、しかもオルガンや「吹き声」が出てるフルートが大活躍しているので、ヴォーカル無しのペドラーズのような、全編を通して渋くてグルーヴィーな内容。タイトル曲や「ON BROADWAY」がその象徴的な佳曲。ドノヴァン「SUNSHINE SUPERMAN」や、「98.6」というキース(ソフトロックで有名な人です)の大好きな曲のカバーを演っているのも嬉しい。ジャケットがシャープなグッド・デザイン。
 HARRY BETTS 『THE FANTASTIC PLASTIC MACHINE』 114. HARRY BETTS 『THE FANTASTIC PLASTIC MACHINE』
( EPIC )

ファンタスティック・プラスティック・マシン。レディメイドのコンピに収録されているので聴いたことのある人も多いと思います。サーフ・サントラ。「NIGHT FLIGHT」「McTAVISH」を筆頭に、ヴェンチャーズみたいなサーフ・サウンド(特にドラムのパターン)とオルガン・ジャズが合体したような陽気でグルーヴィーが曲がたくさん吹き込まれています。ジャケットのアートワークの、間の取り方が上手い。
 PETE JOLLY 『HERB ALPERT PRESENTS』 115. PETE JOLLY 『HERB ALPERT PRESENTS』
( A&M )

ピート・ジョリーというピアニストのレコード。ハーブ・アルパート自身もカバーした、あのロジャー・ニコルスの名曲「LOVE SO FINE」カバーを収録。やはり良い曲は誰がカバーしても良いです。「YOU'VE GOT TO BE THERE」という曲もなかなかスマート。サングラスを置いて、ピアノ越しにこちらを向いている表ジャケットは素敵なんですが、裏ジャケでサングラス着用の姿はまるでタモリそっくり・・・。
 SAM RIVERS 『A NEW CONCEPTION』 116. SAM RIVERS 『A NEW CONCEPTION』
( BLUE NOTE )

サム・リヴァースというサックス(とフルート)奏者のレコード。加えてピアノ、ベース、ドラムというカルテット編成。内容的にはドジャズなので、ブレイクが入ってるだとかドラムが打ってるだとか、そういうのではないのですが、たまにはこういうのをソファに深く腰掛けて流しておくのも良いものです。音量は小さめで。実はこのヒップなジャケット、フジタ・ブレンダーが『A NEW COMPILATION』というレコードで大胆に引用しています。
 PICO 『I LOVE YOU』 117. PICO 『I LOVE YOU』
( 524 )

ここからは久々に最近のレコードを。和製ソフトロック最終兵器と言われてきたピコの「I LOVE YOU」の再発。待ちに待っていた人も多いのではないでしょうか。コモエスタス、マンスフィールド、キュビズモ・グラフィコによるリミックスも収録。ボクにとっては前回紹介したオスマル・ミリト「EU BEBO SIM」と、ピチカート・ファイヴ「WEEKEND」(もっとハッキリ分かる曲もありますが)との中間に位置するような印象でした。
 NO EXPECTATIONS 『SOUND OF SUMMER』 118. NO EXPECTATIONS 『SOUND OF SUMMER』
( URBAN LIGHTS )

詳しいことは知らないですが、日本人のグループでこれがデビューEPなんだそうです。内容はインディー・ポップ風の女性ヴォーカル(英語の歌詞がそれをさらに助長する印象を受けます)にオルガンの入ったボサ・トラックや、ソフトロックの影響下にある曲、ジャズ・サンバ風の曲など、全体的に適度にグルーヴがあって良いです。「I'M SORRY (WILL YOU FORGIVE ME?)」はイントロでボブ・ドロウ「READY OR NOT, HERE I COME」をサンプリングし、メロディ・ラインは赤い鳥「LOVE HIM」を引用するなど、いかにも日本人好みな展開。みなさんお早めに。
 EMBRACE 『I WOULDN'T WANNA HAPPEN TO YOU』 119. EMBRACE 『I WOULDN'T WANNA HAPPEN TO YOU』
( HUT )

UKのバンドの12インチEP。普段はこういうのは買わないんですが、ピンと来たのはボブ・ドロウ「3 IS A MAGIC NUMBER」のカバー収録だったから。ほとんど完コピに近いカバーでした。原曲より少しだけ音圧も高くて良いですよ。ZESTで買いました。
 BYRON STINGILY 『FLYING HIGH』 120. BYRON STINGILY 『FLYING HIGH』
( NERVOUS )

97年リリースの12インチ。A面は退屈なハウスなんですが、B面が良いのです。ボサノヴァのリズムを刻むギターに、つぶやくような男声スキャット。四つ打ちのトラックだと言うことを忘れさせてしまうような、独特のクールネスを持った声質。
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